猫が重い病気になったとき

こんにちは。

少し重い話なのですが、猫と暮らせば必ず訪れる「別れの日」について考えるいい機会を与えていただきました。

「猫10匹と暮らす、40歳セミリタイア生活」というブログがあります。社会学者である酒井信一郎さんという方のブログです。私は8月初めの猫カフェMOCHAのパルボウィルス感染問題があったときにこのブログに出会いました。酒井さんはこの問題に関して詳細に調査し、告発記事を書かれました。

なぜ告発記事を書かれたのか。それが重大な社会問題であることはもちろんなのですが、犠牲になった7匹の子猫のうちの1匹が酒井さんの家の子猫と姉妹だったからです。

いっしょに生まれて、いっしょに育ち、いっしょに遊んだ子猫たち。1匹は酒井さんの家の子になり、もう1匹は猫カフェへ引き取られ、名前もつけられず2週間で亡くなりました。猫カフェの社長は「死んだら似た子を探してこい。」と言ったそうです。酒井さんはそのことにたいへん心を痛めました。

酒井さんの猫カフェMOCHA告発記事は広く拡散され、反響を呼び、この問題は社会の注目を集めました。

ですが今日のブログは告発記事のことではなくて、その後のこと、酒井さんの別の子猫を襲ったFIP(猫伝染性腹膜炎)という病気についてです。

酒井さんは8月半ば、生後5ヶ月の帝くん(メインクーン♂)、の腹部のふくらみに異変を感じました。8月16日、酒井さんはお盆休み明けを待って動物病院へかけこみます。

辛い検査の結果が出ました。「FIP(猫伝染性腹膜炎)発症の可能性が濃厚」

「発症の可能性が濃厚」という書き方になったのはFIP発症の診断自体がとても複雑で難しいものだから、とのことです。

(FIP(猫伝染性腹膜炎)についてはこちらをご覧ください。)

FIPは今のところ治療法が確立されていない猫の不治の病と言われています。

私自身、猫ボランティアをしていた時に何回も猫がこの病気で亡くなったことを経験してまして、FIPと聞くと本当につらいです。

幸運にもレスキューされて、保護されて、優しい里親様がみつかった矢先にFIPで亡くなった猫もいます。人懐こくっておしゃべりなきじとらの子でした。やっとつかんだ幸せの手前で旅立った子のことを考えると、ただただ残念でなりませんでした。

酒井さんの子猫に話を戻します。酒井さんは延命治療をしないことを決断、帝くんが生きた証を残すべく写真と文章で克明に記録を残し、ブログで報告し続けました。

回復を祈りながらの記録だったと思います。しかし帝くんはどんどん衰弱し、腹水はたまる一方でした。酒井さんはFIPと診断された時点で「覚悟はできています。」と気丈に書かれていましたが、衰弱していく大切な子猫を目の前にしてどんなに辛かったことでしょう。

8月24日の朝、帝くんの体調が急変しました。酒井さんは病院へ急ぎます。選んだのは「安楽死」でした。

・相手はFIP、勝ち目のない戦い

・衰弱がはげしく、苦痛が伴う、帝くんの威厳を尊重したい

考え抜いたうえでの決断だったのだと思います。私ならばどうだったでしょう。決断することができず、最後まで苦しませたかもしれません。そして、後でそのことを後悔するのかもしれません。

酒井さんはNY育ちで社会学者、ご自身の死生観から安楽死を選ばれたこと、帝くんがFIPを発症して亡くなるまでを克明に記録し、ブログで報告したことも、とても酒井さんらしいと思いました。

ところが、その冷静な判断や行動を「ドライな人」「冷たい記録主義者」ととらえる人もいたようです。コメント欄で批判する人もいました。

この続きは明日になります。すみません。