今年出会って泣かされたもの(マンガ編)『俺、つしま』

こんにちは。

今年もあと残りわずかということで、『今年出会って泣かされたもの』というテーマでいくつか書いてみたいと思います。『泣かされた』というのは、強く心を動かされたという意味で書いていきたいと思います。

『今年出会って泣かされたもの』マンガ編は満場一致(私ひとりですが)で『俺 つしま』に決定です。

圧倒的な画力でリアルに描かれる「つしま」はじめ野良出身の家猫、外の猫たち、そして猫とは対照的にテキトーに描かれる「おじいちゃん」(実は女性だよ)の深すぎる愛。

「おじいちゃん」と「つしま」たちが繰りひろげる日常には、笑いあり、少し涙あり、そして「猫あるある」がぎゅうぎゅうに詰まっています。猫を飼う人、飼った人ならば思わずこみあげてくる笑いや、そのあとにじわじわくる暖かい涙を感じることでしょう。

2017年7月からツイッターで連載が始まったこのマンガ、猫好きの間で評判を呼び、1年足らずでフォロワーが5万3千人になりました。そして2018年4月にはついに書籍化が実現しました。

私は今年の春までツイッターをしてなかったので(情報が遅くて)、4月の初版に間に合わず、売り切れになっちゃいました。なので5月の重版を待って本屋さんに走りました。このとき本屋の棚に並ぶ表紙のつしまの目力というか「圧」がすごかったのを今でも覚えています。この「圧」にやられて購入した人けっこういるんでは(笑)。

おじいちゃんやつしまたちの日常は基本猫目線で描かれます。

猫マンガというと人間目線で書かれるものもありますが、「俺 つしま」では人間であるおじいちゃんが猫の世界に「ちょっとお邪魔します」している状態が楽しい。つい、人間主体で考えてしまいがちな猫と人間の関係に一石を投じるような描き方、大好きです。

 

笑いをこらえながら読んでいるうちに時々泣かされるので要注意です。

書籍化の書下ろしでつしまの名前の由来が明らかになるのですが、ここも涙腺的に要注意箇所です。つしまの独特な語り口調のルーツがここにあったのだとわかったとき、不覚にも涙腺がゆるんでしまいました。

「松ぼっくりのエピソード」のところも危ない場所なので注意です。私はここ大好き。今は空にいるかつての飼い猫「王子」が戻ってきた夢を見るおじいちゃん、昔「王子」が拾ってくれた松ぼっくりを今も大切な宝物として持っているおじいちゃん。猫もだけどおじいちゃんが愛おしすぎるんです。

実話をベースにした素晴らしいエピソードの数々が惜しげもなく味わえる1冊なのですが、やはり圧巻は終盤「ズン姐さん」の最後の引き際だと思います。命のある限り淡々と生き、その日が訪れたら潔く旅立つ、最後まで笑いながら。ズン姐さん、本当にお見事でした。

「猫には猫の世界がある」ことをおじいちゃんやつしまたちの日常がサラッと感じさせてくれる愛おしい1冊です。

作者は「おぷうのきょうだい」という一風変わった名の兄妹ユニット。圧倒的な画力や、ストーリー構成力という作品の根幹部分はもちろんのこと、作品全体をとおして散りばめられている仕掛けにも作者さんの引出しの多さを感じます。

作者さんは映画(邦画も洋画も)、本、洋楽にもすごく詳しく、思わぬところで思わぬネタに遭遇するのもこのマンガの楽しみかな。(P61はキングクリムゾンでいいんですよね?)

つしまやおじいちゃんに会えて本当によかった。日本の猫マンガ史に名を残す最高傑作現る!真剣にそう思ってるよ。

それではー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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